【レビュー】人妻の不倫を描いたシリアス系官能漫画『倉田有稀子の告白 3』オタクビーム/大塚まひろ

ストーリーは適当でシチュエーションとSEX描写だけでどうにかなってる作品が多い中で、リアルでシリアスなストーリーと構成とキャラクターから吐き出されるセリフで脳からしびれるような作品。官能漫画と呼ぶにふさわしい名作だ。

倉田有稀子の告白 3

夫へ妻からの不倫の告白、相手の事を丁寧に話す人妻「倉田有稀子」の告白が綴られたシリーズの3部作の最終話。なぜ妻は夫へ不倫を告白することにしたのか、そして、夫婦の関係が壊れてしまったのはなぜなのか、ここに全てが明らかになる。

圧倒的なリアリティとシリアスな展開、美しい絵、破たんなく読み手を世界に引きずり込むセリフとコマ割り。セックスレスになった夫婦、妻は自分の欲望を満たすため、夫に構ってもらいたくて浮気を繰り返す。

そして辿り着いた結末とは……

サークルオクタビーム、大塚まひろ作、人妻不倫漫画の傑作。

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ストーリー

妻の浮気を疑い探偵に調べさせ、証拠を掴んだ夫が妻から浮気の告白を受ける。一度目の不倫、そして二度目の不倫で怖い男に酷い事をられた話、そしていよいよ告白のきっかけを作った最後の相手。

三人目の相手は紳士的でおだやかな、年配の男だった。彼は落ち着いて有稀子の話を聞き、その心理を受け止め、袋小路にハマりこんで悲鳴を上げていた彼女の心に寄り添い、救いの手を差し伸べた。

男は有稀子との話を終え、そして別れようとしたのだが……そもそもセックスレスの欲求不満から男漁りを始めた有稀子。

しかも相手はとても紳士的で、自分の本音を引き出してくれた恩人。そんな魅力的なオスに、メスの下半身が反応しないわけもなく……抱いてくれと自らの言葉で伝えるのだった。

もちろん男もソレが目的だったので快諾。そしてホテルへ行くのだが、男の女を知り尽くした男の愛撫はハンパじゃなかった。

あまりの気持ちよさにあっけなく絶頂した有稀子。しかしこの男、ただ女の扱いが上手いだけではなかった。その下半身から出てきたのは、モンスタークラスのデカチン。

この男がなぜ妻子ある身でありながら女遊びを許されているのか、それはこのデカチンを妻が受け止めきれなかったためだったのだ。

そんなイチモツを見せつけられて興奮する有稀子、この女も相当に欲が深い。

そして挿入。最初は馴らすためにゆっくり浅く、そして十分にほぐれたところで一気に奥まで。

並みの女では受け止めきれないデカチンを、有稀子は奥まで咥えこんで激しくイキ悶える。

あまりの快感に我を忘れ、夫の帰宅時間を忘れ、送ってもらった車の中でも……経験したことのない最上の快楽に堕ちた有稀子は、この男のモンスターチンポを何度も何度も求めては絶頂するのだった。

最後まで告白を聞き、感情的になった夫。しかし、夫もなぜセックスレスになってしまったのか、その事情を話し始める。そして、はしたなく他人チンポを漁っていた妻に謝罪をするのだ。

その真実を聞いたとき、有稀子は自分の身勝手を知り激しく後悔する。

愛し合い、互いを思い気遣うがゆえのすれ違い……とある夫婦の、本当なら幸せな家庭を築いていたであろう夫婦の悲劇。こうして二人は別れることになった。

ネットでの評価

この記事を書いている時点での評価(5が最高)

FANZA:4.3 out of 5 stars 4.33

総評:ストーリーがリアルすぎる、名作に出会った気がする

引き込まれるように最後まで読んでしまった。メスの欲望と夫への愛と罪悪感と自己嫌悪、夫とのすれ違いに苦しみ不倫にはしる人妻の心理がとてもリアルに描かれている作品で、男と女の複雑な関係を見事に描き出している良作。

感情移入して脳の奥から興奮できるシリアスでリアルなエロ漫画、はっきりとキャラの人格が存在していて絵が上手くてセックスの描写も秀逸。1話と2話ではエロの部分が少し弱いかと思ったけれど、3部作のクライマックスとしての3話の完成度に脱帽。

拙者も夫婦を30年ほどやってるし、自分自身も妻も互いに浮気をした事がある。数年間の別居をして、離婚寸前までになった事もあるくらい一時期は危機を迎えていた。

今では何でも思った事を言い合える関係になっていて、付き合っていた頃よりも仲が良いと妻に言われるくらいだけれど、確かに若い頃は言いたいけど言えないみたいな、そんなすれ違いの時期があった。そこでボタンを掛け違えていたらどうなっていたのか……やはり自身で思い悩むより、素直に言葉に出してお互いに相談し合うことが大切なのだなぁと改めて実感した。

エロ漫画なのに、リアルな夫婦生活についていろいろと感じさせられた作品。最後のエンディングだけがちょっと不満だったけども……全てを暴露したうえで、改めてやり直して欲しかったなぁ。

作品紹介:倉田有稀子の告白 3

■ストーリー紹介■

結婚から六年。

それまで信じていた妻の不倫。夫の直樹は調査資料を前に妻・有稀子(あきこ)を詰問する。

有稀子は予想外にも最初から不倫の事実を認め夫の疑念に対して、自らの言葉で語り始める――

※表紙:カラー/本文:モノクロ(グレースケール)

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同人サークル『オタクビーム』の大塚まひろと申します。

このたび『倉田有稀子の告白』シリーズの第三話(最終話)が完成いたしました。

ご一読いただけましたら幸いです!

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